今も直船岡城址公園に残る1本の大きな樅の木。時代の生き証人として、その樅の木に秘められた柴田町の古い歴史を紐とくとき、寛文事件がたどった悲哀の運命がまざまざと蘇ってきます。
伊達騒動と呼ばれる寛文事件をテーマにした山本周五郎作のNHK大河ドラマ「樅の木は残った」(昭和45年放送)に登場する原田甲斐は、今までの逆臣節から一転し、政宗の子、兵部を利用して仙台藩のとりつぶしを狙った酒井忠清の陰謀を防ぎ、伊達家の安泰を守った忠義の人物という新見解によって描かれており、これまでの定説を覆す、新たな甲斐として注目を集めました。
テレビでの人気は今でも根強く、船岡城址公園の樅の木を一目見ようと、多くの人が訪れています。